「起きるはずのない」事故がまた起きてしまった。福井県敦賀半島の付け根にある関西電力美浜原子力発電所で昨日、蒸気漏れ事故が起き11人が死傷した。
福井県敦賀半島は原発銀座である。今回事故を起こした「美浜原発」をはじめ、「もんじゅ」、「ふげん」、「敦賀原電」などなど多数に上る。
地元の人々は悪魔と取引して立派な道路、公共施設を手に入れ、原発関連企業が地元に落とす金でずいぶんと潤ったのだから、事故で地元にどんな悲惨な被害が出ようと文句を言える立場ではない。
が、相手は原子力。今回の事故では放射能漏れはなかったものの、一歩間違えば地元だけの被害ではすまず、最悪の場合、チェルノブイリのような世界規模の被害となる。
1995年に「活断層の上に建つ原発」という企画で敦賀半島を訪れたとき、活断層の危険性について質問した記者に対し、ある電力会社の広報が「
そんな事を論ずることは地球が壊れることを論ずるのに等しい」と鼻でせせら笑ったのを思い出す。
同じ年の冬、「もんじゅ」はナトリウム漏れという重大な事故を起こした。
|