著作権著作権侵害裁判

公衆送信権と送信可能化権

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公衆送信権と送信可能化権についてフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると

■公衆送信権
公衆送信権(こうしゅうそうしんけん)は、著作権の一部で、公衆によって直接受信されることを目的として著作物の送信を行うことができる権利である。
公衆送信権に関連する権利として、送信可能化権、伝達権がある。(出典:フリー百科事典『ウィキペディア Wikipedia』

■送信可能化権
自動公衆送信し得る状態に置く送信可能化行為を、著作権の対象とすることで、著作権者の権利行使を容易にしている。(出典:
フリー百科事典『ウィキペディア Wikipedia』

小学館サライ著作権侵害裁判」で、大きな争点の一つが公衆送信可能化権侵害があったかどうかだったが、判決(23~24頁)では下記の理由で棄却された。

(原告撮影写真のデジタルデータを)―般社員が閲覧可能な状態に置かず、準備作業を行っていた社員4人においてのみ閲覧可能な状態で保存していたことに、不合理な点は認められない。
…中略…
そして、他に、本件デジタルデータについて、自動公衆送信し得るようにしていたことを裏付ける証拠はないから、これを認めることはできない。

まあ、デジタルデータをハードディスクのサーバ」という珍しいコンピュータに保存していたり、明らかな違法行為である無断複製をするような輩がわざわざ「本件契約書式に基づく合意が成立していない写真家」のデータだけを社員のパソコンからアクセス出来ない(準備作業を行っていた社員4人においてのみ閲覧可能な)別のデータベースに保存していたなどとは、にわかに信じられないのではあるが、「裏付ける証拠はないから」と切り捨てられてしまったのは残念である。

最近、小学館がデジタル雑誌として創刊した7つの雑誌については、元々配信目的で創刊されたわけで、当然公衆送信を前提に撮影されているはずであるから問題はないだろうが、紙の雑誌をWEB上で閲覧可能としている場合には公衆送信のための契約が締結されていなければ「送信可能化権侵害」となるわけで、今後も注意深く見守る必要がある。