買い取り

小学館サライ著作権侵害裁判」の提訴前より、被告小学館はフィルム代や現像代などを経費として支払っているから、納品と同時にポジフィルムの所有権が被告に移ったとしていたが、第11回裁判で、被告双方に裁判官からポジフィルムの所有権の発生時について質問された折りには「原告が被告雑誌に使用するために原告の費用においてフィルムを購入した時点だ」として、それまでの主張とは食い違う主張をしている。

被告としてはフィルム代や現像代などを経費として支払っているから、業界で言うところのいわゆる「買い取り」だと主張したかったのだろうが、判決では

「原告と被告間の合意においては、経費としての支払と、上記のとおり、掲載された場合の許諾料の支払があるものの、それ以上に、ポジフィルムの所有権が被告に帰属することを考慮した、対価、報酬等の金員の支払がされたとは認められず、記の各支払が当該趣旨を含むことをうかがわせる事情も認められない。判決30頁

と、被告の主張を切り捨てている。