「’97東京」連載 (1) 投稿者: kato1997年1月14日2017年3月26日エッセイ、出版、新聞、社会 「バブルの塔」 1997年1月14日 東京新聞夕刊掲載 写真と文:加藤雅昭 Back First Page Next バブルの塔 新年早々飲もうという客が少ないのか、不景気が相変わらず続いているのかは定かではないけれど人影がまばらな荒木町の飲屋街の向こうには超高層ビルがそびえ立っている。 このビルが建ってからもう何年になるだろうか?飲屋街の看板にあかりが灯る時間になっても、このビルのあかりが灯ることはない。人呼んで「バブルの塔」……。 景気が回復傾向にあるなどと言われて久しいけれど、このビルは相変わらず無人のままで、夜になっても真っ暗なままだ。 ビルの前を通るたびにもったいないと思う。どうせ使ってないのなら水道と電気ぐらいは自分でなんとか敷くから事務所兼自宅として格安で貸してはくれないだろうか。 関連記事閉店オリンピックバブルで…斜塔を建てるテレビ局超バブリーなトイレ「’97東京」連載 (14)「’97東京」連載 (13)「’97東京」連載 (12)