遅々として進まぬ福島第一原発の廃炉作業、取り出せた燃料デブリは全880トンの12億5714万2857分の1の量…

撮影:2017年4月13日 暗闇に妖しく光る福島第一原発 浪江町請戸漁港から望む

2024年11月7日、福島第一原発の廃炉作業の初歩の初歩ともいえる燃料デブリの取り出しが完了し、12日に研究機関に運び込まれたと報じられた。

当初の報道では数gの燃料デブリ試験的取り出しに成功した模様と報じらていたので、勝手に2~3g程度だろうと想像していたら、実際には遥かに少ない0.7gだった。
燃料デブリの総量は880トンとのことだから、今回取り出せたのは総量の12億5714万2857分の1の量…、と気が遠くなりそうな少なさということになる。
事故を起こした東京電力は「廃炉」に何年を想定しているのかとの素朴な疑問でたとり着いたのか「もっと知りたい廃炉のこと」と題したぺージなのだが、Questionで「廃炉」が完了するのに何年かかるのか??になっているのに、Answerでは2020年3月に示した廃炉中長期実行プランの中で「30~40年後の廃止措置終了」を目指し…などと書かれているものの、ページ内のどこを探しても回答がない状態でQ&Aの体をなしていなかった。

■毎日0.7gのデブリを取り出し続けても344万4227年もかかる作業??

撮影:2017年4月13日 福島第一原発 浪江町請戸漁港から望むちなみに、廃炉を100年で終えるには年間8.8トンのデブリを取り出さなければいけないので、毎日24kgものデブリを取り出し続けなければいけない。
本格的にデブリの取り出しが始まれば、まさか0.7gということはないだろうが、今回の0.7gの取り出しに際しては、ありえない初歩的な失敗を何度も繰り返している体たらくな状態なのだから、もしかすると、今回試験的に取り出せた0.7gが1日に取り出せる限度になる可能性も否定できない。
その条件で計算すると、すべての燃料デブリの取り出しが終了するのは、344万4227年後になってしまう。
まるで人類の起源を論じるような壮大な時間の経過が必要で、人類が存続している保証すらないのだが、大部分の放射能は10万年程度で影響を及ぼさなくなるので問題はないのだが…。


タイトル写真説明
撮影:2017年4月13日 暗闇に妖しく光る福島第一原発
夜明け前の福島県浪江町請戸漁港から望む