タイトル写真説明
撮影:2022年9月27日 千代区九段下から安倍晋三国葬儀が開催された厳戒態勢の九段上を望む
■いい加減な対応の官邸報道室
内閣府の発表によると、安倍晋三国葬儀の一般献花は9月27日午前10時~午後4時、九段坂公園で行われるとのことだったので、国葬前日の9月26日に内閣府に電話を入れフリー写真家の取材方法を尋ねたのだが、それは官邸報道室に問い合わせるようにということだった。
あらためて官邸報道室に電話を入れたのだが、一般献花の撮影も武道館の正面玄関の撮影も「無理なんじゃないでしょうか」と、まるで他人事のようなつれない返答だった。
国民の同意が得られないまま世紀の愚挙たる「国葬」を強行しようとする瞬間を記録したいという気持ちも萎えてしまったのであった。
ところが…である、何気なく15時過ぎにワイドショーを見ていると国葬準備が進む武道館の正面玄関前からの生中継で通りすがりの一般の人々がスマホ片手に撮りホーダイの映像が飛び込んできた。
武道館を含めた北の丸公園一帯は17時過ぎから一切の立ち入りが禁止されるとのことだったため、機材の準備を含めるととても間に合いそうもなく、あえなく断念せざるを得なかったのだが、先ほどの官邸報道室の説明が相当にいい加減だったことが判明した。
まあ、彼らにしてみればフリーの写真家と言っても所属がはっきりせず、どこの馬の骨かも不明な連中に情報を与えたくなかったからなのだろうと推測するのだが、問い合わせに真摯に対応してもらえなかったことに対し怒りさえ覚えたのであった。
■「嘘つき総理の国葬反対」と辛辣な文言が書かれたのぼり旗
国葬当日の朝、国葬が強行される武道館前の靖国通りは九段下から全面通行止めになるものの、一般献花の九段坂公園側歩道は献花以外の人の通行はできないけれど、反対側の歩道は通行できることが判明。さらに国葬当日も複数のデモが行われ、その中でも「国葬反対!安倍元首相の死を悼まない!共同行動」なる団体(救援センターがまとめ役か??)が主催するデモ隊が、神保町駅から徒歩5分ほどの千代田区猿楽町の錦華公園に集合し、国葬会場である武道館に限りなく近くまでデモ行進をするということだったため、国葬当日の27日午前中に急遽撮影に出かけることに。
のぼり旗や横断幕には「嘘つき総理の国葬反対」「地獄へ行け」といった文言が並んでいたが、これもアベ政治が招いた結果であるから、死者を悼む言葉としては相当に辛辣ではあるものの、素直な気持ちの表れともいえるだろう。
九段下交差点でデモ隊が九段坂を背景に通り過ぎる様子を反対側の歩道から撮影中、デモ隊の中で何らかのトラブルが生じた様子であったため、反対側に渡ろうとしたのだが警備の警察官に阻止され、所属する写真団体のIDカードを見せても埒が明かず何が起こったのかもわからずじまい、
帰宅後のニュースで知ったのだが、国葬反対のデモ隊の列に賛成派の何人かが飛び込んで小競り合いが発生したようだ。
この小競り合いが要因なのかは不明だが、オーストラリアのシドニー・モーニング・ヘラルドは「安倍氏は海外では日本屈指の政治家として見られているが、分断の遺産を国内に残した」とまで報じている。
実際、安倍政権は数の力を背景に特定秘密保護法案、安全保障関連法案、共謀罪法案、働き方改革関連法案、統合型リゾート実施法案(カジノ法案)等々、数々の法案を十分な審議を経ずに強行採決を行っただけでなく、森加計桜問題の十分な説明もなく、さらには死後には旧統一教会との関係が大きくクローズアップされている状態だから、国会での議論云々以前に国葬にふさわしくない政治家であることだけは明らかであろう。