新型コロナ禍&五輪禍の陰で老朽・美浜原発が再稼働

撮影:1995年1月30日 福井県美浜町 「活断層の巣の上に建つ原発」で撮影

本サイト2015年7月5日付「規制解除の国道6号線と巨大防潮堤」と題した記事の冒頭は

1995年1月に「活断層の上に建つ原発」という企画で福井県の敦賀半島を訪れた。活断層の危険性について質問した記者に対し、ある電力会社の広報が「そんな事を論ずることは地球が壊れることを論ずるのに等しい」と鼻でせせら笑ったのを思い出す。同年暮れに「もんじゅ」はナトリウム漏れ事故、2004年に「美浜原発」が蒸気噴出事故、2007年には中越沖地震で「柏崎刈羽原発」が火災事故を引き起こしている。幸いこの3件は大惨事には至らなかったが、たまたま運が良かったに過ぎず、原発事故は決して珍しくはない。

という内容で始まっているが、この中に登場する「ある電力会社」とは福島第一原発で未曽有の原発事故を引き起こした東京電力のことである。
福井県の原発取材であるのに、関西電力ではなくどのような理由で東京電力に取材したのかは不明だが、一般論としての考え方を問うたものと推測する。

昨日、新型コロナ禍と東京五輪禍の中、しれっと再稼働されてしまった福井県の美浜原発3号機だが、2004年8月9日には作業員4人が死亡、7人が負傷、さらに負傷者の1人が後日死亡するという重大な事故を引き起こしている。

福井県内では廃炉作業中の原発を含め、15基もの原発が立地する原発銀座といわれているが、若狭湾名物である「小鯛の笹漬け」は大好物で酒の肴にも、お茶漬けにも欠かせなかった。
しかしながら、若狭湾周辺に林立する原発の温排水を小鯛を含めた魚介類の養殖に利用している事実が分かってから一切食すのを止めてしまった。
もちろん、それは科学的な根拠に基づくわけではなく、単に気分的な問題あることは十分承知の上だが、気分的な問題は時として大きな風評被害に発展することもあり、根本要因がなくならない限り永遠に続く。

福井県が原発の40年超運転に同意したことを報じた福井新聞2021年3月11日付記事で図解入りで説明されているので参照されたい。
記事:https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1275871
図版:https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/gallery/1275871?ph=1


タイトル写真説明
撮影:1995年1月30日 福井県美浜町 美浜原子力発電所 講談社Friday「活断層の巣の上に建つ原発」取材時に撮影