エッセイ時事環境社会

見えないという恐怖…ウイルスと放射能

富岡町夜ノ森地区の桜 大部分は帰還困難区域 2017年4月13日撮影

舎人公園の桜(足立区) 撮影:2020年3月24日

新型コロナ真っただ中である本日午後、陽気に誘われて家人と二人でほとんど人の集まることのない足立区内の桜がきれいな場所へ出かけた。
今年は荒川区内に越してきてまる7年となる春であるが、高圧線の直下とあって、相変わらずこの場所で花見をしようという酔狂な人はおらず、早咲きの桜やソメイヨシノ、菜の花などが咲き誇る中、弁当を食べながら静かな花見を行った。
その後、場所を移動し桜の名所である舎人公園のはずれに満開となったソメイヨシノが美しい場所を発見。広い園内に数人しかいないのを確認し、ベンチに座ってしばしの時間を過ごした。
満開となったソメイヨシノの幹には「大人数での飲食などはお控えください」との注意書きが括り付けられていたが、いたって静かな状態で、都民はきっちりと「不要不急の外出」を控えているのだろうと勝手に思っていた。
が、自宅へ戻る途中、舎人ライナー駅を通り過ぎるとき目を疑った。先ほどまでの場所も舎人公園の一角なのだが、駅を降りてすぐの場所のそこは満開の桜を背景に鈴なりの人波があり、多くの露店らしきテントも見えた。
この公園は都立の公園なのだが、陽気に気が緩んでしまった都民が大挙して訪れたのだろう。実際、自宅に戻ってからのニュースでは上野公園でも目黒川でも桜目当ての人々で埋め尽くされている映像が流れていたから……。
よく、日本人は「喉元過ぎればナントやら」と揶揄されるほど忘れやすい国民性だといわれているが、まだ喉元に突き付けられている中でこんな状況になるとは……。
新型コロナウイルスに限ったことではないが、対峙しなければいけない相手が見えないことが恐怖であることは、放射線量が高く、帰還困難区域に指定されている福島県富岡町の夜ノ森も同様であろう。
つい先日、夜ノ森駅とその周辺の一部地域が指定解除となったものの、全面解除には程遠い状態だ。

タイトル写真説明
撮影:2020年3月24日 舎人公園の桜(足立区)


写真説明
撮影:2017年4月13日 福島県富岡町夜ノ森の帰還困難区域に咲く桜