新型コロナウイルスへの対応のために横浜に停泊している客船ダイヤモンド・プリンセスは建造中に大火災を起こしていることから「呪われた豪華客船」と言われている。
ただ、それは正確ではない。
確かに「ダイヤモンド・プリンセス」は三菱重工業長崎造船所内で建造中の2002年10月1日に大火災を起こし4割を焼失し、「日本の造船史に残る大事故」と言われている。
タイトル写真は大火災翌年の2003年10月24日に長崎港で撮影したもので、「ダイヤモンド・プリンセス」ではあるのだが、ややこしいことに、実際に火災を起こした「ダイヤモンド・プリンセス」ではなく、元の船名は「サファイヤ・プリンセス」である。
三菱重工では納入期限が迫っていたため、姉妹船である「サファイヤ・プリンセス」を急遽「ダイヤモンド・プリンセス」として改修・改名したという経緯がある。
現在横浜に停泊している客船は「元サファイヤ・プリンセス」を改修した「ダイヤモンド・プリンセス」ということになるから、大火災を起こした船ではない。
今回の新型コロナウイルス騒ぎでダイヤモンド・プリンセスの「受難の歴史」という記事も見受けられるのだが、単純に「ダイヤモンド・プリンセス」という船名が「縁起の悪い」名称に過ぎないだけのことだ。
それにしても、今回の新型肺炎、ますます感染が広がっているようで、ダイヤモンド・プリンセス乗客・乗員をはじめとする水際対策は完全に失敗したようである。
タイトル写真説明
建造中の「ダイヤモンド・プリンセス」(元サファイヤ・プリンセス)
撮影:2003年10月24日 三菱重工業長崎造船所