向島での撮影の帰り、雷門周辺で一服できる場所を探そうと思った瞬間、そこはすでに喫煙所の前だった。
都内有数の観光スポットの雷門の真向かい、多くの観光客や人力車が行き交うにぎやかな場所だった。大概の喫煙場所は人目を避けるような、喫煙者にとっては悲しい場所であることが多いのだが、この場所は雷門を眺めながら一服できる珍しい場所だ。
まさか、かつては喫煙が文化だった中国からの観光客が多いから、こんなメインの場所に「喫煙処」を設置したわけではないだろうが、喫煙者にとってはうれしい限りである。
ちょうど40年前のことになってしまったが、写真家の野上透氏のアシスタントとして初めての海外でもある中国を訪れたのは1979年のことだが、当時はタバコを吸おうすると周囲の人たちにも勧めることが礼儀だったから、成田で購入した日本製のたばこがあっという間になくなってしまい、現地のキツイたばこを購入する羽目になってしまったことを思い出す。
その後、1997年何度か中国を訪れているが2008年には、たばこを勧める文化は老人だけのモノとなり、若者は出世に影響があるとのことで、喫煙者であっても隠すことが増えているとのことだった。
タイトル写真説明
撮影:2019年5月29日 雷門を眺めながら一服/台東区雷門2丁目浅草文化観光センター前