本日、2008年9月2日、東京地方裁判所にて「小学館サライ著作権侵害裁判」は和解が成立しました。小学館側は複製権侵害とポジフィルムの紛失に対し和解金700万円を支払う義務のあることを認めました。
この裁判は、昨年5月30日、東京地裁で複製権侵害とポジフィルムの紛失に対して小学館に損害賠償を命じる画期的な判決が出ていましたが、これを不服として小学館が知財高裁へ控訴していたものです。
この画期的な判決は「写真家の著作権とポジフィルムの所有権に関する要望書」とする裁判所に提出した署名に協力してくださった社団法人日本写真家協会会員を中心とする写真家、クリエーター、関係者の皆様のご協力の賜物だと確信しております。短期間の署名活動ではありましたが、署名者総数1,902名、うち写真家は1,094名という予想をはるかに上回る数の署名を裁判所に提出できたことは、判決に少なからぬ影響を与えたことは間違いないでしょう。
本来でしたら直接お礼を申し上げなければならないところですが、この場をお借りし、厚くお礼申し上げる次第です。
裁判とは基本的には孤独な戦いです。控訴審に入りましてからは、小学館側の争点とは無関係な誹謗・中傷などの個人攻撃、裁判長期化を狙った嫌がらせは熾烈さを増し、何度もくじけそうになりましたが、背後には皆様の支援があるのだと言う事を自分に言い聞かせて、9月2日、和解という形にはなりましたが裁判終結を迎えることができました。
小学館側の強い抵抗から一転して和解に合意した背景には、漫画家の原稿紛失事件、小学館の急速な業績悪化などの事情があると思われますが、抗議から5年9ヶ月、長く辛かった戦いは終わりました。
ご支援、本当にありがとうございました。
社団法人 日本写真家協会会員 写真家・加藤雅昭