明らかに著作権侵害と認められる行為であっても、現在の日本の法律では、強姦罪などと同様に著作権侵害も親告罪であるため当事者が訴えない限り一切のお咎めなし。
わかりやすい例では、秋葉原の路上でよく見かける違法ソフトウェアの販売、この販売現場を警察官が目撃しても現行法では明らかなる不法行為であっても見過ごすしかないわけである。
今回の「小学館サライ著作権侵害裁判」では原告以外の100名を越える写真家の作品が無断複製された可能性が極めて高いことも明らかになっている(数人に関しては無断複製を確認済み)のであるが、親告罪であるために著作者である写真家が訴え出ない限り、問題にはならないという現状がある。
仮に、強い意思を持ってこの不法行為を行った出版社に対して「声を上げたい」と考えたとしても、異常に高額な日本の訴訟費用はもとより、出版不況真っ只中の世界で生き残りをかけて活動するフリー写真家にとっては、異議を申し立てること自体がきわめて難しい問題であろう。
本来、この「小学館サライ著作権侵害裁判」、小学館による大量無断複製事件へと発展し、日本を代表する大手出版社の責任が問われなければならないものなのだが……。