昨夜の報道ステーションで元経産官僚の古賀茂明氏がコメンテーターとして出演し、二人の日本人の殺害予告をしたイスラム国について興味深い発言をした。その中で古賀氏は「後藤さんが拘束されていることを知っていながら、安倍さんはわざわざ中東を訪問して対イスラム国・有志連合を支援すると宣言した。これでイスラム国は交渉を中止し、あのビデオメッセージを出したのではないか。」として、イスラム国に宣戦布告をするような発言を批判した。
「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含めISILと闘う周辺各国に総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(You Tube動画より抜粋)
さらにフランスでのテロ後のデモで「Je Suis Charlie(私はシャルリー)」とのスローガンに対抗して、「私だったら日本人は『I am not Abe』とプラカードを掲げていく必要があると思う」と強烈な皮肉をこめた発言をおこなった。 殺害予告のビデオがYou Tubeにアップされ、事件発覚後、1月20日エルサレムで記者会見を行った安倍首相は、さすがにマズイと思ったのか「人道支援」をことさら強調するような論調にすり替えてしまったものの、その3日前の1月17日、エジプトの首都カイロでの演説では、はっきりと対イスラム国・有志連合に2億ドルの支援を約束すると、自慢げに宣言していた。
「日本の総理大臣に告ぐ。おまえはイスラム国から8500キロ以上も離れたところにあるのに、自ら進んでイスラム国に対する十字軍に参加した。私たちの女性や子どもを殺し、イスラム教徒の家を破壊するために、誇らしげに1億ドルを供与した。」(二人の日本人殺害予告のビデオより抜粋)
エジプトでの対イスラム国・有志連合を支援演説について、日本人である私が見れば、安倍首相の表情や態度が「自慢げ」「自信満々」「誇らしげ」などと感じてしまうのは当たり前なのだが、イスラム国でも殺害予告の中にも「誇らしげに」との表現があることから、彼らにも表情や態度からわが国の首相が好戦的な姿勢であることがバレてしまったのだろうか?
写真:2014年7月1日 首相官邸前集団的自衛権反対デモ(I AM NOT ABE の文字は合成)