「’97東京」連載 (11)

「都心の大遺跡」 1997年4月1日 東京新聞夕刊掲載

写真と文:加藤雅昭

 


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都心の大遺跡

 新交通システム「ゆりかもめ」の新橋駅を出発してすぐ眼下に広がる旧国鉄汐留跡地。
バブル期には都心に残る最後の再開発地としてもてはやされたこの場所では、もう六年も遺跡発掘調査が続いている。大名屋敷跡、日本最初の鉄道跡、関東大震災の痕跡…等々、出るわ出るわの出血大サービス。一刻も早く土地を売って借金返済にあてたい地主の国鉄清算事業団にとっては頭痛の種に違いない。
土地が売れたところでどうせ焼け石に水なのだから、いっそのこと都心の一等地にある大遺跡として公開したら…?