かなりアブナイ自民党憲法改正草案

投稿日: カテゴリー: エッセイ時事社会

9日に行われる韓国の大統領選挙では、どの候補が当選したとしても「反日」政権になると懸念されているとのことだ。
既報のように憲法記念日に首相が2020年までに憲法改正を目指すとしたが、その内容を読む限り「戦争の放棄」も基本的人権も踏みにじられそうな内容で、極右首相が考えているように憲法が改悪されてしまったら、心ある善良な日本人であっても、国粋主義者から「反日」のレッテルを貼られてしまうに違いない。

安倍チャン発言は、2012年に自民党が公表した「憲法改正草案」に基づくものなのだが、一見すると国防軍について記述のある自民党案よりも柔軟になっているような印象を受けるが、これは安倍チャン得意の争点隠しの策略で、その内容が時代に逆行し、国民に多くの義務を押し付ける為政者に都合の良い内容であることに変わりはないだろう。
そもそも、「9条1項(戦争放棄)と2項(戦力不保持)はそのままにして、自衛隊について書き込む」てことは、戦力不保持をうたった第2項と真っ向からぶつかり実現不可能なのだから……。

この安倍発言を受け、あらためて自民党の「憲法改正草案」を読んでみると、かなりアブナイ。国民に多く義務を課し、「政府の方針に反する活動は行えない」とも読み取れるような憲法下では、「報道の自由」も絵に描いた餅になってしまうだろう。

天皇については「象徴」との記述はあるものの「元首」と規定し、国旗と国歌を尊重しなければならないとし、第9条の戦争の放棄では「永久」が削除され、国防軍についての記述が追加され、基本的人権では「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚」が追加され、表現の自由も「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」は認めないとしている。


 

憲法第九条の比較

現行憲法
第二章 戦争の放棄
(戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

 

自民党草案
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する

国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。

国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。

国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。

(領土等の保全等)
第九条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。

 


「国民の権利及び義務」の比較

現行憲法

第三章 国民の権利及び義務

(基本的人権)

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

(自由及び権利の保持義務と公共福祉性)

第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ

(集会、結社及び表現の自由と通信秘密の保護)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
自民党草案

 

第三章 国民の権利及び義務
第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である
(国民の責務
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない
(表現の自由)
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない
3 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。

 


自民党憲法改正草案へのリンク